トレースとは原画を複写(=写す)為に使用します。
イラストレーターが下書きをペンで線画にするとき、漫画家がスクリーントーンを貼る時、アニメーターが動画を描く時など、絵に関わる全ての人が手にする機会あるでしょう。
今回はトレース台の目的から使い方、実際に使ってみる時のポイント、おすすめのトレース台などをまとめてみていきます!
効果的な使い方を知ると、作品のクオリティがアップしますよ!
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トレース台の使い方〜知識編〜
まずはトレース台とはどんなものなのかを学んでいきましょう!
何に使うものなのか、どういった場面で使うのかなど、基本的な事をご紹介していきます。
トレース台は何に使うもの?
蛍光灯の灯りによって、原稿を複写(トレース)する目的で使われます。他にも…
- 下書きやイラストを写すため
- 左右対象の絵を描くため
- 漫画家がスクリーントーンを貼るため
- アニメーターが動画を描くため
etc…
トレース台は主にこれらの目的で利用されます。
トレース台はどんな人たちが使っているの?
- イラストレーター
- 漫画家
- アニメーター
etc..
絵を描く人たちに使われているのがトレース台です。
漫画家さんは色の濃いスクリーントーンを切ったり貼ったりするのに使います。アニメーターは動く動画を描くのに使います。
イラストレーターは、ラフスケッチや下書きをトレース(複写)して、ペンで線画作業を行う際に使ったりします。
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トレース台の使い方〜複写編〜
では、今度はトレース台の基本的な使い方を見ていきましょう。
用紙を二枚用いて(原画と白紙)、単純に原画を複写する方法を見ていきます。
1. 原稿をセットする
まずは複写したい原稿をセットします。原画の上に、白紙の紙をセットしましょう。
原画と白紙の2枚はこのように重ねてセットします。
すると下からトレース台の蛍光灯が照らされ、このように1枚目の原画の絵が薄く浮き出てきます。
2. 明るさを調整する
今度はトレース台についているボタンをセットして、明るさを調整します。
トライテック社の旧型のトレース台は電源ボタンと明るさが同じボタン
- トレース台についている明るさ調整ボタンを調整する
- 紙を重ねて明るさを調整する
製品によって明るさを調整するボタンがついていません。その場合は、右の写真のように、白紙の紙を複数枚重ねて明るさを調整します。
明るさ調整ボタンがついている場合は、上図のように細かく明るさを調整できます。
*明るさが複雑に調整できると、様々な紙の厚さや種類に対応できます。
3. 原画を参考に描く
明るさを調整できたら、原画をなぞっていきます。
下の原画を参考に、上の白紙に線をなぞっていきます。
原画の線が見えにくい場合は、明るさを調整したり、右の図のように紙をめくりながら、なぞっていきます。
4. 完成
下書きをトレース台をなぞり終えました。
複写できたので、ペン入れや色ぬりをしたり、様々な事に活用できるようになりました。
これで基本的なトレース台の使い方を学ぶことができました。
次の項目で実践して細かいポイントや注意点を見ていきましょう。
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トレース台の使い方〜実践編〜
では、今度は実際にトレース台を用いてイラストを制作していきましょう。
今度は複写だけでなく、トレース台を使ってデッサン崩れを直したり、する使い方を覚えていきましょう。
ポイント①:左右反転してデッサン崩れを確認する
トレース台を使えば原画を左右反転して、デッサンが崩れていないか、確認することができます。
原画を一枚だけセットして、裏っかえしてみて、デッサンが崩れている場所を探します。
左右反転してみると、このように左側の髪の毛や肩にボリュームがないのがわかります。
描き癖によって、デッサン崩れが起きやすい場所があります。トレース台を使うことによって、自分の癖を見つけることができます。
この方法は、トレース台で非常によく使われる使い方の一つです。
ポイント②:あたりを入れてデッサン崩れを確認する
原画のデッサンが正しいか、トレース台を使って確認する為に使えます。今度はあたりを描くために、2枚の紙を使います。
このように原画を透かして、2枚目の白紙に、あたりを描きこんでいきます。
先ほどと同じように、左右反転しながら、デッサンが崩れている場所を探して、あたりを描きこんでいきます。
あたりを下にして、原画のデッサンが崩れている場所を修正します。
ポイント③:ボリュームをみる為に塗ってみる
デフォルメしたアニメキャラは髪の毛や服のボリュームが正しくないと魅力的に見えないことがあります。
トレース台を使って、髪の毛や各所ボリュームを調べる、トレース台の使い方をみていきます。
原画を下に敷いて、2枚目の白紙に、髪の毛部分を塗りつぶしていきます。
髪の毛部分だけ抜き出してみると、左右のバランスが不自然でないか調べることができます。
*色鉛筆を使用したり、背景部分だけグレーにするのもいいでしょう。
ポイント④:複写して完成させてみる
トレース台を使えば複写して何度も練習できるので便利です。下書き段階を済ませて完成に近づける為に、複写したものを利用してペン入れや影入れ、色ぬりを先に試してやってみるのもおすすめです。
下書きを完璧にしたいと思い、なかなか前に進まないことがあります。
そんな時は、複写してペン入れを先に試しにやってみるのがおすすめです。先に進むと、下書き段階で直したい部分が新たに見つかるでしょう。
ペン入れを行ってみると下書きとはずいぶん雰囲気が変わります。完成形に近づけることは重要そうです。
影を入れてみるのと、みないのとでは、仕上がりにずいぶん差が出ます。
トレース台を使って複写した下書きに影や光を明暗を入れました。下書きの下書きです。
複写すればいくらでも練習ができるので、絵が進まずに悩んでいる方に、おすすめの使い方です。
トレース台の使い方講座で使用したトレース台
今回使用したのはトライテック社のトレース台です。2018年ごろに購入した、明るさの調整ボタンが電源と一緒になっているタイプです。サイズはA4サイズです。
*公式のオンラインストアと、アマゾンと楽天ショップと、ヤフーショッピングにお店が出ています。電気屋さんで購入する場合は、ペンタブコーナーの近くにあることが多いです。
AトライテックA4サイズ 500シリーズ ¥5980円(税込)
トレース台の使い方に関しては、前回記事にまとめましたので、参考にしてください。
トレース台の使い方を覚えてみよう!
トレース台は使い方次第で作品のクオリティをあげたり、作業や練習の効率をあげるのに役立つことがおわかりいただけたでしょうか。
使わない時は、電気を付けずに下敷きがわりにして使用することもできます。
今回紹介したトレース台の使い方を覚えて、是非とも練習してみてくださいね!